- YOKOHAMA BEER BIKE で体験できること(所要時間90〜120分/みなとみらい周辺)
- 横内勇人さんがビアバイクを始めた理由(ハワイでの原体験)
- 横浜のクラフトビール文化
- 立ち寄りスポット(NUMBER NINE BREWERY/THE WHARF HOUSE)
秋晴れの横浜。GOOT取材チームは、みなとみらいのランドマークである横浜ハンマーヘッドに集合しました。


今回体験するのは、オランダ発祥の6人乗り自転車「ビアバイク」。ペダルを漕ぎながらビールを飲み、横浜の街を巡る——ただの観光ではなく、人と人、人と街をつなぐ「動くコミュニティ」です。
「ガソリン入れましょうか?」
出発前、ガイドの遠山さんがクラフトビール「横浜ニューポートエール」を配り始めました。「カンパーイ!!」の掛け声に続いて缶を傾けると、一気に旅の士気が高まります。
ベルの音が「漕いでください」の合図。6人で力を合わせてペダルを踏み込むと、ゆっくりと、しかし確実に、バイクは動き出しました。

まずは動画で雰囲気をどうぞ:YOKOHAMA BEER BIKEの走行シーン&乾杯
「横浜ビール」から「横浜ファンカンパニー」へ ── 横内勇人さんが選んだ道

横内 勇人(よこうち・はやと)さん
横浜ファンカンパニー株式会社 代表取締役 共同代表
(元:株式会社横浜ビール 広報‧ファンプロジェクト ゼネラルマネージャー)
プロフィール:原体験はハワイ。70歳の両親を童心に帰らせた、ビアバイク
食品メーカーを経て、2016年に横浜ビールに転職した横内さん。約9年間勤務したのち、2024年4月、工藤葵さんとともに「横浜ファンカンパニー株式会社」を設立。オランダ発祥の6人乗りビアバイクによるツアー運営を軸に、横浜の魅力を発信し続けています。
ビアバイクと出会ったのは、横浜ビールへの転職直前に家族で訪れたハワイ旅行でした。奥さんが、内緒でビアバイクツアーを予約してくれていたのです。
「70歳に近い両親が、見たことないぐらい笑顔で。もう童心に帰って笑って。言葉が通じないのに日本語で話しかけたりして、最後にはみんなで飲みに行こうって」
景色を楽しみながら、知らない人同士が仲良くなっていく。その乗り物に感動した横内さんは、「これを日本で絶対にやろう」と心に決めました。
横浜との関わり:親戚の家があった憧れの街。ビールが広げた、フラットな繋がり
東京・板橋区の高島平で生まれ育った横内さん。横浜には親戚がいて、毎年正月をこの街で過ごしていました。
「いつか横浜で働きたいなという思いはずっとありました」
憧れだった横浜で働き始め、ビールを通じて世界が広がっていきました。横浜ビール時代、農家さんや生産者のもとへ足を運び、その想いを届ける、「人を伝える」仕事を続けるうちに、飲食店だけでなく地域の企業とも深い繋がりが生まれていったのです。
「ビールがあれば笑顔が生まれる」——その信念が、ビアバイク事業の土台になっています。
横浜の特色:日本一大きなローカルシティ
都心で暮らしていたころは、人との関係が希薄になりがちだったと横内さんは振り返ります。でも横浜に来てみると、歩いているだけでみんなが声をかけてくれる。やっていることにも興味を持ってくれる。
「横浜は、日本で一番大きなローカルシティだと思っていて」
ビアバイクでツアーをしていると、通りすがりの人たちが笑顔で手を振ってくれます。外国人観光客も、地元の人も、車の窓を開けて「頑張って!」と声をかけてくれる。まるで選挙カーのような一体感で、街全体が盛り上がります。
ソウルフード:ハマクロカレー
横浜ビールの直営レストランで提供される、黒ビール「ハマクロ」で煮込んだカレー。ピリッとした辛さとビールのコクが絶妙で、常連さんが締めに必ず食べる一品です。
横内勇人さんの1日:パパとしての朝、横浜の夜を愛するビジネスマン

横内さんの朝は早い。6時に起きて、小学1年生と年少の娘2人のために朝食を作ることから1日が始まります。ご飯を食べさせ、幼稚園と小学校へ送り出すのが朝の日課。それが終わるのが8時か9時ごろです。
日中は横浜や都内での打ち合わせ、ビアバイクの運営など、仕事に追われます。早く帰れる日は、家で晩ご飯を食べて子どもたちの寝かしつけ。でも、そうでない日は、「リサーチも含めて気になったローカルな飲食店に行ったり、仕事関係の方々と横浜のビールを楽しむことがほとんどです」と横内さんは話します。
ビールを通じて広がった人のつながりが、今の横内さんの仕事と暮らしを支えています。
こんなところがGOOTです:「線」を超えた先にある仲間
「地元で働いたり住んでたり、そういう人たちだからこそ知っていること。当たり前のことかもしれないけど、知らない人にとってはすごく新鮮に感じる。『人』にこそストーリーがあって、そのストーリーに共感する」
「そういう人たちを知ってもらえる、そんなツアーをGOOTでやっていくと思うので、そういうところにはすごく共感して。一緒にやっていきたいなと思っています」
共創の精神
時にはガイドや見知らぬ参加者が共に漕ぎ、共に笑う。ビアバイクの形は、まさにGOOTの掲げる「つながり・共創」そのものです。
「人」のストーリーへの共感
有名な観光地を回るだけのツアーではなく、横内さん自身が大切にする「ブルワリーのキーマン」を紹介していく。その姿勢が、旅人を「観光客」から「仲間」へと変えていきます。
持続可能な運営
以前は1日4便回していたビアバイクを、現在は2便に限定。利益のために便数を増やすのではなく、コンテンツを磨き、関係者(醸造家など)が疲弊せず、持続可能な形で魅力を届けるための決断でした。
街がステージになる ── YOKOHAMA BEER BIKE
横内さんがハンドルを握り、後部座席ではすみれさんのキーボードが心地よいメロディを奏でます。その生演奏をBGMに、6人でペダルを漕ぎながら横浜の街へ。

横浜三塔、日本大通り、山下公園。ガイドの遠山さんが、次々と横浜の歴史を語ってくれます。
「この先通過していく日本大通り。イチョウ並木などが大変有名なんですけど、日本で初めての西洋式の道路と言われています」
「この横浜の歴史を見ていると言われている『たまくすの木』が右奥にご覧いただけます。まさに日米和親条約が結ばれたのが、この右側の広場です」
歩く速さとほとんど変わらない時速4km。だからこそ、街の景色がゆっくりと流れ、歩行者や街の人々と自然に目が合い、笑顔で挨拶を交わせる。
「原動力は私たちの足です」
運転手の横内さんはハンドルとブレーキを操作するだけで、ペダルは漕がない。本当に乗客が漕がないと止まってしまう乗り物なのです。上り坂では全員で力を合わせて漕ぎ、段差では声を掛け合って乗り越える。ツアーが終わるころには、一緒にペダルを漕いだ仲間として、不思議な一体感が生まれていました。
「動くコミュニティ」が生み出すもの
ビアバイクは、単なる移動手段ではありません。排気ガスを出さない、人の力だけで動くエコ・モビリティであると同時に、街全体をひとつのエンターテインメント・ステージに変えてしまう力を持っています。
ナンバープレートがついていない「軽車両(自転車)」であり、車では味わえない開放感の中で、参加者同士が自然と会話を始め、街の人々とも交流が生まれる。ガイドの解説を聞きながらゆっくり進むうちに、参加者は横浜の歴史を自然と学び、街を深く愛するきっかけをつかんでいきます。
「今後の予約は皆さんの笑顔にかかってますので、よろしくお願いします」
ガイドの遠山さんがそう冗談めかして言うと、参加者たちは一層大きく手を振り始めました。その笑顔が、また次の旅人を呼び込む。100人の観光客より、何度も訪れる10人の仲間をつくる。ビアバイクは、まさにそれを体現しています。

ツアーで巡ったスポット①:NUMBER NINE BREWERY(横浜ハンマーヘッド)
ツアーの最初の立ち寄りスポットは、横浜ハンマーヘッド内にあるNUMBER NINE BREWERY。ツアーでは、大規模な醸造設備を間近で見ることができます。








醸造担当の若田部さんが案内してくれました。強調するのは、クラフトビール業界の「横のつながり」です。
新しいビールを作りたいときや、やったことのないスタイルに挑戦するとき、全国のブルワリー仲間に相談する。むしろ聞かれる側になることが名誉だという。このブルワリーの仲間との繋がりが、横浜のビール文化という無形の財産を守り育てています。
見学では、ビールの原料であるモルト(麦芽)をそのまま試食しました。「えっ、これ食べられるんですか?」という驚きから始まり、口に含むとほんのり甘く、確かにビールの風味が感じられる。ビールのルーツを舌で知る体験は、ただ飲むだけでは得られない深い理解をもたらしてくれました。

おすすめの一杯(ハンマーヘッドエール/ナンバーナインヘイジー)

NUMBER NINE BREWERY 施設情報

- 所在地:神奈川県横浜市中区新港2-14-1 横浜ハンマーヘッド 1F(QUAYS pacific grill内)
- アクセス:みなとみらい線「みなとみらい駅」「馬車道駅」から徒歩約13分
- 設備/サービス:ブルワリー
ツアーで巡ったスポット②:THE WHARF HOUSE YAMASHITA KOEN(山下公園)
横浜開港資料館を過ぎてしばらく進むと、THE WHARF HOUSE YAMASHITA KOENに到着。2023年4月、山下公園内にオープンした、「横浜ビール」のクラフトビールも楽しめるカフェ&レストラン施設です。
目の前には横浜港の絶景。海風が通り抜ける開放的なテラスで、ビールを片手に参加者たちは口を揃えます。
「めちゃめちゃいいですよね、このロケーション」
足湯やバーベキュープランもあり、グループで賑やかに過ごすのにも最適な場所です。
ここで味わった「横浜港北フレッシュホップエール」は、横浜市内で収穫されたホップを使用した季節限定(毎年9-10月頃)の横浜ビール。地元の農業と食文化をつなぐ、横浜ならではの一杯です。
おすすめの一杯(横浜ラガー/横浜港北フレッシュホップエール)

THE WHARF HOUSE YAMASHITA KOEN 施設情報

- 所在地:神奈川県横浜市中区山下町279(山下公園内/産業貿易センター前)
- アクセス:みなとみらい線「元町・中華街駅」「日本大通り駅」から徒歩約7分(JR・市営地下鉄「関内」駅から徒歩約16分)
- 電話番号:045-228-7737
- 営業時間
- CAFE:9:00〜17:00
- RESTAURANT(CRAFTBEER & GRILL):17:00〜22:00
- BBQ:11:00〜22:00(3〜11月)
- 足湯テラス:10:00〜21:00
- SHOP:10:00〜19:00
- 定休日:不定休(季節・天候等により営業時間が変更となる場合あり)
- 設備/サービス:テラス席、足湯、BBQ(3〜11月)、ショップ
- 公式サイト:https://wharfhouse-yokohama.zetton.co.jp
※最新情報は公式サイトをご確認ください
横浜みなとみらい:日本一のブルワリー密集地で生まれる笑顔
横浜みなとみらいエリアには6カ所のブルワリーがあり、すべて歩いて回れる距離。これほど密集しているエリアは日本でも珍しいそうです。
ビールを片手に知らない人同士が笑顔になり、街の人たちが手を振ってくれる。横内さんがハワイで見た「両親の笑顔」は、今、横浜の街で再現されています。
「ビールがあれば笑顔が生まれる」——横浜の風を受けながら、その言葉の意味を実感した一日でした。
YOKOHAMA BEER BIKE 体験情報

- 運営:横浜ファンカンパニー株式会社
- 出発地点:プランにより異なる(例:横浜ハンマーヘッド周辺)
- 所要時間:約90〜120分(プランにより)
- 定員:6名(ペダル席)
- 実施:事前予約制(開催日・便数はスケジュール参照)
- 特徴:オランダ発祥の「移動式ビアカウンター」。スタッフがハンドル・ブレーキを操作、参加者はペダルを漕ぎながらビールを楽しめる
- 立ち寄り(例):NUMBER NINE BREWERY、横浜ビール ほか(開催回により異なる)
- 公式サイト:https://yokohamafuncompany.com
- スケジュール/予約(例):https://yokohamacraftbeermarche.peatix.com/events
※最新情報は公式サイトをご確認ください

